火山の噴火!空港閉鎖が解かれた最初の便に搭乗した。 機内では、楽観視できない状況である事がささやかれ、11時間以上ものあいだ 不思議な静寂に包まれていた。
お題「これまで生きてきて「死ぬかと思った」瞬間はありますか?身体的なものでも精神的なものでも」
古い話ですが…。
化学物質過敏症関連のwebサイトの取材のためにドイツの施設を取材する事になった時の出来事。
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2010年 半年以上前から計画を立て日程を決めたドイツ取材だった。出発当日、搭乗窓口で
「エイヤフィヤトラヨークトル火山が爆発した」
「目的地に到着が出来ない可能性があるが、それでもいいか?」
と念押しされて、空港閉鎖になる最後の便に搭乗した。着陸30分前に到着地が変更になり鉄道を乗り継いでほぼ半日かけ、真夜中に目的地へ、日程通りにドイツ取材を終えた。
帰国当日、偶然にも空港閉鎖が解かれる可能性があると聞いて電話で事前に問い合わせをしたところ
「待っている人が大勢いるから予約した飛行機に乗る事は難しい。今日はあきらめて欲しい」と言われたがとりあえず空港に向かう。
閉鎖された空港は、人、荷物、毛布、飲料水で埋め尽くされていた。
色々な肌の人。ありとあらゆる言葉の渦。混乱が生じている風景に気を取られ、搭乗窓口で茫然としている自分に、空港スタッフが声をかけてきた。約したチケットを見せた。
「落ちる可能性がいつもより高いが、いいか?」と念押しされた上で
「この便なら、もしかしたら予約したチケットで乗れるかもしれないから、搭乗手続きをして荷物を預けて待て」指示された。
すでにその時は、正確な判断が出来ない状態だったのだと思う。
長い間、待つこともなく、言われるまま搭乗チケットを変更せずに、空港閉鎖が解かれた最初の便に搭乗した。
機内では、楽観視できない状況である事がささやかれ、11時間以上ものあいだ不思議な静寂に包まれていた。大きな経済打撃があるほどの災害だとドイツ国内では報道されていたものの、さほど不安を感じていなかったはずなのに、成田の到着ロビーに着き、携帯電話の電源を入れたとたんに全身から力が抜けて震えだし、座り込んでひとり大泣きしてしまった。
フランクフルト空港で寝泊まりする事もなく、偶然にも予約チケットを変更せず日程通りに帰って来れた。多くの邦人に助けてもらったが一人でしんどかった…。
下記、その取材記事をupしている「からだふぁんのサイト」です。